
「シングルで産むことを決めたけれど、赤ちゃんは元気に生まれてきてくれるだろうか?」
そんな不安を抱えている方も多いと思います。
私の娘も、まさにその一人でした。
選択的シングルマザーとして妊娠・出産に臨む中で、私たちは「NIPT(新型出生前診断)」を受けることにしました。
この記事では、検査を受けようと思った理由から、当日の流れ、結果を受けて感じたことまでを、母娘の視点でリアルにお伝えします。

同じように悩み、
迷っている方のヒントや
安心につながれば嬉しいです
選択的シングルマザーとNIPT|私たちが記事を書く理由
娘が「選択的シングルマザーになる」と私に打ち明けたのは、数ヶ月前のことでした。
彼女はイラストレーターとしての実績を積み、資産形成も着実に進めていました。
とはいえ、経済的にも精神的にも「母になる準備はできている」とまで自信を持って言えるとは思えませんでした。
「だってまだ母親になっていないのに本当の母親の気持ちなんてわかるはずない」
そんな言葉を聞いたときは「そんな生半可な気持ちで赤ちゃんを産んではいけない!」とつい叱ってしまいました。
しかし、落ち着いて自分のことを振り返ると・・・
「私も果たしてそんな覚悟を持って子どもを産んだのだろうか?」
私の場合は、学生時代から付き合っていた人と結婚適齢期になったので結婚をして、子どもを産みました。
考えてみれば、なんとなく当時の常識や流れに身を任せていただけの自分。



当時24歳の私が
そんなすごい覚悟を
持っているわけもなく…
それでもいざ子どもを産んで育ててみたら自分でも驚くくらいに母親になれたのです。
いえ、正確には少しずつ母親になっていったが正しいかも。
”子どもが親を育ててくれる”
よくそんな言葉を聞きますが、これは真実です。
いつしか私は「この子が赤ちゃんを育てる未来も、悪くないかも」と思えるようになりました。
そんな中、妊娠が順調に進む一方で、私と娘の心の奥にあったのが「赤ちゃんは元気に生まれてきてくれるだろうか?」という不安でした。
特に未婚で子育てをするということは、支援の手が少ないという現実があります。



未婚ということは
旦那さんがいない
旦那さん側の家族もいない
ということです
だからこそ、万が一の備えとして、出生前に赤ちゃんの健康状態を把握しておきたい──娘がそう考えるのは当然でした。
「NIPTを受けてみようと思う」と娘が話したとき、私はすぐに賛成しました。
それは、赤ちゃんの命を“選別”するのではなく、命に向き合うための“準備”であり、“覚悟”を確認する一歩だと思ったからです。
この記事では、そんな私たち母娘が、どのような気持ちでNIPTを受け、どんな時間を過ごしたのかを、ありのままに書いていきます。



一つの参考にしてみて下さいね
なぜNIPT(出生前診断)を受けようと思ったのか?


娘がNIPTのことを知ったのは、妊娠3ヶ月頃。
妊娠が確定し、産婦人科に通い始めてすぐのことでした。
ネットで「不妊治療」や「出生前診断」を検索する中で見つけた情報だったようです。



私はNIPTのことは
知りませんでした
当時はまだ、つわりもひどく、身体もしんどそうでしたが、冷静な様子で私にこう言いました。
「私は、もしも自分が健康ではない状態で生まれていたなら、お母さんを恨んでいたかもしれない。それでも強く生きていく人もいるだろうけど自分はそこまで強くなかったと思う。家族が多ければ支え合えるのかもしれないけど、私にはその相手もいない。これからの人生、この子がどう生きていくか、その責任も全部背負うことになるんだよね」
その言葉に、私はハッとしました。
シングルマザーという立場は、誰かと支え合って子育てをするのではなく、自分が“最終責任者”になるということ。
それは、本人が思っている以上に大きな重圧だと思います。



私自身、離婚して子どもを
1人で育てていくと決めたとき
生まれて初めて腹をくくったと
いうか、覚悟を決めたのです
娘は、「授かった命のことをちゃんと知りたい」「何かあっても準備できるようにしておきたい」と言いました。
NIPTを受けたいと思ったのは、不安を消したかったからが大きな動機です。
もしも何かあったときに、早い段階で必要な情報を得ておくことで、赤ちゃんにとってより良い選択ができると考えていたのです。
私は、その考えに全面的に賛成でした。
「何があっても、この子の味方でいたい。じゃあまず、知るところから始めよう」
これが、私たちがNIPTを受けようと決めた理由です。
NIPT(新型出生前診断)とは?受ける前に調べたこと
NIPTとは「新型出生前診断(Non-Invasive Prenatal Testing)」の略で、妊婦の血液を採取し、胎児の染色体異常の有無を調べる検査です。
一般的にはダウン症候群(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーなど、重度の染色体異常の可能性を早期に知るために利用されます。
検査は妊娠10週以降から受けることができ、母体への負担が少ないのが特徴。
ただし、結果が「陽性」であっても確定診断ではなく、必要に応じて羊水検査などの精密検査が推奨されるケースもあります。
■ 検査内容と費用
娘は「どんな異常がわかるのか?」「陽性だった場合どうなるのか?」を中心に、かなり丁寧に調べていました。
特に気にしていたのは、検査の正確性と費用。
NIPTの検査費用は保険適用外で、私たちが調べた範囲では約10万円〜20万円前後のところが多く、安い検査では少し不安もありました。
また、「陽性」の結果が出たときの追加検査(羊水検査)に関する費用も頭に入れておく必要がありました。
■ どこで受けるか、どんな医師か
NIPTは受けられる医療機関が限られており、娘は自分で数件のクリニックを比較していました。
選んだポイントは以下のような点でした:
- カウンセリングの有無(ただの検査で終わらないこと)
- 結果が出るまでのスピード(通常は1週間前後)
- 口コミでの信頼性や対応の丁寧さ
- 万が一のとき、相談に乗ってくれる体制があるかどうか
最終的には、自宅から通いやすく、口コミも良く、通っている産婦人科から紹介されたクリニックを選ぶことにしました。



口コミはかなり参考にしました
■ 検査を受ける意味
そして何よりも私たちが悩んでいたのは、「そもそもNIPTを受ける意味とは?」という問いでした。
陽性だったらどうするのか。
もし何か異常がわかったとして、自分はどんな決断を下せるのか。
検査を受けることが、命を“選ぶ”ということにつながってしまうのではないか──。



そんな葛藤を、私たちは
何度も話し合いました
どんな結果であっても、赤ちゃんと向き合い、どう生きていくかを考えるためには、まず情報が必要。
そう考えた娘は、「いざというときに、感情だけでなく冷静に判断できる自分でいたい」と言いました。
命に正解はないけれど、どんな状況でも後悔しない選択をしたい。
私たちはその気持ちを大切にしながら、NIPTを受けることを決めたのです。
検査当日の流れと私たちの気持ち
NIPTの検査は、妊娠13週の終わり頃でした。
今はNIPTを受ける妊婦さんがとても多いようで、クリニックの予約が取れたのは夜の21時半。



本来の診察時間外で
やって下さいました
私が運転をして車でクリニックまで向いました。
クリニックには私たち以外にも2組の妊婦さんがいました。
旦那さんと来ている方、お父さんと来ている方。



うちは母親(私)が
ついていますので
本当に色々です
■ まずは胎児ドックで画像で確認
娘が選んだコースは胎児ドック(初期)+NIPT。
胎児ドックとは超音波装置を利用して胎児の様子をしっかりと時間をかけて見ることができます。
私も一緒に診察室に入らせてもらい、プラネタリウムのように天井に映る画像を一緒に見ることができました。
大きく映された赤ちゃんはときおりピクピクと動いていて元気で嬉しくなりました。



私は動く赤ちゃんとは
初対面でした
この超音波検査では、赤ちゃんに染色体異常症のサインが出ていないかがわかります。
調べる項目は・・・
- 赤ちゃんの首の後ろの浮腫み
- 赤ちゃんの鼻の骨
- 静脈管という赤ちゃんの心臓へ向かう血液の流れ
- 三尖弁という心臓の弁の血液の流れ



また次のような
診断もできます
- 赤ちゃんの顔の形
- 耳の位置
- 口唇の形
- 下顎の形
- 手足の異常な屈曲の有無
先生から丁寧に説明があり、赤ちゃんには今のところ異常は見つからないと言っていただきました。


こちらは実際の私たちの赤ちゃんの3D/4D超音波検査の画像です。
3D/4D超音波検査では2Dエコーで得られた複数の画像情報を基に、コンピューター処理で立体的な画像にしてくれます。
赤ちゃんの顔や体の形をよりリアルに立体的に確認することができました。



もっと週が進むと
より人間の形として
わかりやすく
なると思います
この超音波判定だけで90%は安心できるものなのですが、その先のNIPTをするかを選択しなければなりません。
より確実性を上げるにはNIPTをする方がいいのはわかっています。
しかし、私たちの場合、妊娠9週目で双子の1人が亡くなる(バニシングツイン)を経験していました。
その場合、亡くなった赤ちゃんが染色体異常の可能性が高く、その子がまだお腹の中に存在していることで母親の血液の中に影響を与えて陽性反応を出す可能性があるというのです。
「もう超音波検査だけで十分じゃない?」と私は言いましたが、娘は「ここまでしたんだから最後までやってみる」と言いました。
最終決断は母親になる娘であると思うので任せました。



正直、私は陽性が出る可能性が
あることを行うのが恐いと
思っていました
結果が出た後に感じたこと
NIPTの結果は、検査からわずか5日後に届きました。
本来は1週間ほどかかると聞いていたので、予想より早く連絡がきて、少し驚きました。
電話の相手は、クリニックの看護師さん。
その時点で、娘も私も「もしかして大丈夫だったのかも」と察しました。
(というのも陽性の場合は医師からご連絡を差し上げますと聞いていたからです。)
「結果は陰性でした。今のところ赤ちゃんには大きな異常は見つかっていません」
その言葉に、娘も私も深く息を吐き、心の底からホッとしました。



これまでどこかで
張りつめていた気持ちが
ふっと緩んだ瞬間でした
■ 安心と同時に、考えたこと
結果が「陰性」だったことは、何よりの安堵でした。
けれどそれと同時に、「もしも陽性だったら、私たちはどうしていたのだろう?」という思いも頭をよぎりました。
NIPTの検査を受けると決めたとき、私たちは本気でいろいろな可能性を考えていました。
選択的シングルマザーである娘は、支援してくれるパートナーや家族がいないという現実の中で、
どこまで命に向き合えるのか、自分に何ができるのかで不安いっぱいだったと思います。
私も、「何があってもこの子の味方でいたい」と思いながらも、実際のところ本当に支えきれるのか、不安がなかったわけではありません。
そのうえで「この命とどう生きていくか」を、できる限り冷静に、誠実に向き合おうと決めていたのです。



まだ小さくても
もう私たちの家族に
なっていたのですから
■ 本当の意味での“覚悟”
今回、赤ちゃんが元気でいることがわかって本当に安心しました。
けれどNIPTを受けた時間は、単なる検査以上に、母になる覚悟を深める時間だったと感じています。
赤ちゃんの命を“選ぶ”のではなく、“受け止める準備をする”。
私たちがたどったのは、そんな道のりでした。
きっとこれからも、不安や迷いはたくさんあると思います。
でも、母になる娘を信じて、私も一緒に歩んでいこうと改めて思えた出来事でした。



母娘でより強く
赤ちゃんのことを
考えるきっかけに
なりました
NIPTを受けるかどうか、迷っている方へ伝えたいこと
ひとりで赤ちゃんを産もうと決めたお母さんにとって、
お腹の中の赤ちゃんがどんな状態であるのかは、とても大きな不安のひとつだと思います。



私たちもそうでした
「ちゃんと元気に育っているかな?」
「何か異常があったらどうしよう?」
そんな思いが頭から離れず、毎日が心配と希望の間を行ったり来たりする日々でした。
もしも異常が見つかったとき、産むのか、産まないのか。
それは、簡単に答えの出ることではありません。
ただひとつ言えるのは、その選択の重さに向き合う時間こそが、
親になる覚悟を育てていく過程でもあるということです。
きっとこれから、子育てをする中でも、たくさんの壁にぶつかると思います。
思い通りにいかないこと、悩むこと、苦しいこと。
そのたびに私たちは迷い、悩み、でも最終的には「これでよかった」と思える選択をしていくのだと思います。



親になるとは
そういうことなのだと
感じています
NIPTは、ただ赤ちゃんの状態を知るための検査ではありません。
それは、「命と向き合う姿勢」を問い直す時間であり、
これから始まる子育てへの心の準備でもあるのだと思います。
不安を抱えている方へ。
その気持ちを無理に消す必要はありません。
どんな気持ちも大切にしながら、一歩一歩進んでいっていいのだと、私たちはこの体験を通して感じました。
あなたが、あなたらしく赤ちゃんと向き合えるよう、心から応援しています。
まとめ|「命と向き合う」ということに、正解はないけれど
私たち母娘が選んだ「NIPTを受ける」という選択。
それは、赤ちゃんの状態を知るためであると同時に、
これから始まる子育てと、本気で向き合うための“覚悟”を確認する時間でもありました。
選択的シングルマザーとして生きていくことを決めた娘には、支えてくれるパートナーはいません。
だからこそ、赤ちゃんの命に対して責任を持つことが、誰よりも重く感じられたのだと思います。
NIPTを受けるかどうかに、正解はありません。
どんな選択をするにしても、大切なのは「自分自身が納得しているかどうか」
そして、赤ちゃんとともに生きていくこれからに対して、誠実に向き合えているかどうかです。
検査の結果がどうであれ、それをどう受け止め、どう生きていくか。
そのすべてが“親になる”ということなのだと、私たちはこの体験を通して実感しました。
不安があることも、悩むことも、間違いではありません。
それでも一歩ずつ、自分のペースで向き合っていけばいい。
私たちの体験が、今まさに迷いながらも前に進もうとしているあなたの小さな道しるべになれば、こんなに嬉しいことはありません。


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